関西電力高浜原発の過酷事故を想定した8月の広域避難訓練をめぐり、「原発ゼロをめざす京都ネットワーク」などが12月19日、京都市内で会見を開き、放射性物質の実測結果にもとづく避難指示の訓練が省略されていることなど避難の根幹にかかわる問題点や課題を明らかにしました。京都と福井の6団体が訓練の実効性を検証していました。
当日の訓練では午前9時に緊急事態宣言が発せられた後、UPZ(原発から半径5~30
キロ圏)で「初めてOIL2(放射線の測定値に基づいた防護措置の判断基準の一つ)超が確認され、24時間経過」したとみなして、午前10時に「一時移転指示」が出されたと設定されました。
原発ゼロネットの梶川憲共同代表(京都総評議長)は、問題はその間に実行されるべき訓練が省略され、モニタリングカーでの実測結果にもとづく避難指示訓練がされず、モニタリングとは無関係な避難方向への避難訓練となっていること、スクリーニングポイントの設置判断と設置訓練が行われなかったことなどを指摘。いずれも避難の根幹をなすものと強調し「これらの避難指示を出す側の訓練が行われていないのは重大」と批判しました。
会見には、池田豊・京都自治労連委員長、市川章人・同ネット事務局、福井県から原発住民運動福井・嶺南センターの猿橋巧氏、五十嵐正夫・原発問題住民運動福井県連絡会事務局次長が参加しました。
(「しんぶん」赤旗2016年12月21日より転載)