いじめ経験9人・・原発避難原告世帯 判明分/神奈川
東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に避難した生徒に対するいじめがあったことをうけて、福島原発被害者支援かながわ弁護団は12月19日、同市の神奈川県弁護士会館で記者会見し、避難者のいじめ経験の調査結果を発表しました。
弁護団は神奈川県への避難者のうち、横浜地方裁判所に訴訟を提起している61世帯の原告の裁判資料などを調査。少なくとも8世帯9人の子どもがいじめを受けた経験があることが確認できたと報告しました。
いじめの内容は、当時小中学生たった児童・生徒が、同級生や上級生から暴言、暴行を受けたもの。暴言のなかには「福島へ帰れ」「福島県民はバカだ」「福島県民は奴隷だ」といったものもあり、不登校になった生徒もいました。
調査は、原発訴訟に提出された陳述書に書かれたことを調べたもので、すべての原告に聴取を行ったのではないため、いじめがあっても陳述書には記載しなかったという可能性があります。弁護団事務局次長の山野健一郎弁護士は「(表面化されていない)さらなるいじめがある可能性はある」と指摘しました。
事務局長の黒澤知弘弁護士は「避難者の立場を国も定義していない。きちんとした形で支援していくことが必要」だと述べました。
(「しんぶん赤旗」2016年12月20日より転載)
石炭火発環境壊す・・仙台港住民らシンポ
「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」は宮城県多賀城市で12月18日、関西電力の子会社などが仙台港(仙台市営城野区)で建設中の石炭火力発電所「仙台パワーステーション」の影響を考えるシンポジウムを開き、約200人が参加しました。
東北大学大学院の明日香壽川教授は、同施設の発電容量が環境アセスメント(環境影響評価)の実施基準となる11・25万キロワットをわずかに下回る11・2万キロワットのため、評価が行われていないと指摘。3万キロワット以上の環境アセスを義務化する仙台市の条例も、条例施行2カ月前に認可を受け、環境アセスを逃れました。明日香氏は「地域への悪影響も企業の社会的責任も無視した行い」と厳しく批判しました。
医師の水戸部秀利氏と広瀬俊雄氏が、ぜんそくなど住民の健康に与える影響について報告。説明会の開催を求める住民の声を無視し続けている事業者を批判しました。
同施設の隣には、東日本大震災の被害から徐々に再生しつつある蒲生干潟があります。専門家らが、同施設が干潟の生物多様性に与える影響や、地球温暖化に対するリスクについて説明しました。
シンポジウムには日本共産党県議4人と、自民党、公明党、みやぎ県民の声(民放党など)、社民党、無所属など各会派の県議が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2016年12月20日より転載)