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ベトナム 再生エネ重視・・原発撤回後 関心高まる/官民挙げての支援デンマーク前向き

ベスタス社のタービンが使用されている英国のケンティシュ・フラッツ風力発電所(同社提供)
ベスタス社のタービンが使用されている英国のケンティシュ・フラッツ風力発電所(同社提供)

 【ハノイ=松本眞志】ベトナムでは11月、国会で原発建設の白紙撤回が承認され、再生可能エネルギーに関心が高まっています。そうしたなかデンマーク大使館と同国の風力発電会社ベスタスは今月1日、ホーチミン市で再生可能エネルギーにかんするシンポジウムを開催しました。デンマークは官民挙げてベトナムでの再生エネルギーの技術・財政支援に前向きで、原発輸出に固執する日本政府との違いが際立っています。

 シンポジウムでベトナム産業貿易省・再生可能エネルギー局のファム・チョン・トゥック総局長は、ベトナムに現在、合計15万キロワットの電力を供給する風力発電所が3ヵ所あると説明。風力発電が将来、大規模電カエネルギー供給の可能性を秘めていると強調しました。

 トゥック氏は、ベトナムが経済成長に十分な電カエネルギーを生産する努力をすすめながら、二酸化炭素低排出エネルギーに転換しつつあると述べました。

 今年11月、ベトナムはアイルランド企業との間で、合計94万キロワットの電力を供給する風力発電所をメコンデルタのソクチャン省に1ヵ所、南部沿岸のビントゥアン省に2ヵ所の計3ヵ所に建設する契約を結びました。

 シンポジウムに参加した世界風力会議(GWEC)のスティーブーソーヤー事務局長は、風力発電が世界全体の電力生産の4%を占め、「2020年までに6~8%、30年までに18~20%に増加するとみている」と推定。温室効果ガスを減らすために再生可能エネルギーに転換する必要があると訴えました。

 デンマークのシャルロッテ・ローセン駐ベトナム大使は、「私たちは、デンマーク人とベトナム人の最良の技量を引き出し、ともに風力発電分野での独自の技術的、政策的、財政的解決をめざしていく」と主張しました。

(「しんぶん」赤旗2016年12月6日より転載)