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福島第1 トリチウム汚染水処分方法“タンク貯留検討は”

 東京電力福島第1原発で、汚染水処理装置で除去できない高濃度のトリチウム(3重水素)の処分方法をめぐり、11月11日に開かれた国の汚染水処理対策委員会の小委員会で、委員から「トリチウムの半減期(12年)を待つとか、別の方法はないのか」「タンクを増やして現状のまま“何もしない”ことは検討しないのか」といった疑問の声が出されました。

 小委員会は、①地層注入②海洋放出③水蒸気放出④水素放出⑤地下埋設―の五つの選択肢について、風評などの影響も含めて総合的に検討。タンクにため続けることは選択肢から除外しています。

 国の作業部会は6月に、技術・コスト面では、五つの選択肢の中で、海洋放出が最も期開か短く費用も安いとする報告書をまとめました。そのなかで、トリチウム水を国の放出基準(1リットル当たり6万ベクレル)まで薄めて7年強の時間をかけて海洋放出するケースなどを示しています。地下水バイパス計画と同じ基準(同1500ベクレル)まで薄める場合のトリチウム水の放出量は、半減期を考慮しなければ約300年分に相当します。

 トリチウムの半減期を考慮すると、現在1リットル当たり数十万~数100万ベクレルの高濃度トリチウム水は、タンクにため続けると100年弱~百数十年後には同1500ベクレル程度まで薄くなる計算です。

(「しんぶん」赤旗2016年11月13日より転載)