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OECD 気候資金から石炭投融資除外・・日本の遅れ鮮明に

img_20161109_0001 【マラケシュ(モロッコ)=島崎桂】温暖化対策での途上国支援に向け、先進国が2020年までに年1000億ドル(約10兆円)の資金拠出を目指す中、経済協力開発機構(OECD)が石炭関連への投融資を気候変動対策資金(気候資金)から除外していることがわかりました。

 OECDに加盟する日本政府は、国内で48基の石炭火力発電所の新増設を計画。高効率の石炭火力発電所をインフラ輸出の主軸に据え、公的支援を続けています。今回、OECDが石炭への投融資を除外したことで、「脱炭素化」や温暖化対策をめぐる日本の認識が、先進国の中でも特に不足していることが示されました。

 OECDが10月17日に発表した報告書「1000億ドルへの道のり」は、加盟国が支出する気候資金の算定にあたり、「石炭に関わる投融資は含めていない」と説明。「しかし、日本とオーストラリアは、高効率の石炭火力発電所への投融資を気候資金の一類型にするべきだと考えている」と指摘しました。

 石炭火力発電は、最も高効率のものでも二酸化炭素(C02)の排出量が天然ガスの2倍に上ります。発電所として稼働が始まれば、排出期間の長期化も避けられません。

 モロッコのマラケシュで開催中の国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)に参加している国際環境NGO「FoE Japan」の小野寺ゆうり顧問は、「先進国では石炭火力への投融資を排除していくことが当たり前になっている」と指摘。「日本は気候変動対策の認識が遅れた国になってしまった」と語りました。

(「しんぶん」赤旗2016年11月9日より転載)