ふるさと 未来につなぐ・・福島 富岡町 避難児童が発表
東京電力福島第1原発事故で全町避難している福島県富岡町の幼稚園、小学校、中学校の1園4校(児童生徒39人)が10月29日、三春町にある避難先の校舎で学習発表会を開きました。
中学生18人は、総合学習「ふるさとから学ぶ」(ふるさと創造学)を報告しました。
1年生は「富岡と三春を桜でつなごう」と、学校がある三春町の有名な滝桜を、種から育てて富岡町に植樹する3年計画の活動を報告しました。
2年生は帰還、桜、火祭りについて発表。富岡町の有名な「夜ノ森の桜」について町民に取材し、「楽しい思い出ばかりでした。その思いを未来につなげたい」と語りました。
ある父親(46)は「『桜の下を歩きたい』という言葉に胸うたれました。思いが受け継がれるのですね。頭でっかちの教育ではなく、体験し人の思いにふれる。ふるさと学習は大切です」と感想をのべました。
3年生は個人テーマをたてて研究。渡部星夢さん(15)は、仮設住宅で住民が地域の盆踊りを復活させた活動を、住民アンケートや笛、太鼓の担い手に聞いて、14ページの冊子にまとめ配りました。
「これからもつないでくれる人がいればいいなと思います。私も太鼓をやってます。帰還してもやりたい」と話します。
(「しんぶん赤旗」2016年10月30日より転載)
東海第2原発 防火対策議論・・規制委
原子力規制委員会の新規制基準への適合性審査が10月27日開かれ、日本原子力発電の東海第2原発(茨城県東海村)の焦点の1つになっている防火対策が議論されました。
日本原電は、原子炉内の計測など安全機能を持つ機器に接続したケーブルについては燃えにくいケーブルに交換する一方で、ケーブルの取り換え作業で悪影響がある場合にはケーブルに防火シートを巻くことで対応すると説明しました。
しかし、取り換え作業の悪影響で燃えにくいケーブルに交換しない方針に対し、規制委は「防火対策で安全性が向上するとは思えず、容認できない」と指摘。日本原電は低圧電カケーブルなどで取り換えるためには建屋の壁に穴を開ける必要があり、耐震強度が下がると主張しましたが、規制委は「防火対策も耐震強度も基準を満たさなければならない」と、方針の見直しを求めました。
東海第2原発は1978年に運転開始。2014年に審査を申請し、燃えにくいケーブルを使っていません。日本原電によると、ケーブルの総延長は約1400キロメートルで、安全機能を持つケーブルのうち「半分弱を交換する」としています。
(「しんぶん赤旗」2016年10月30日より転載)