日本共産党の倉林明子両参院議員は10月13日の参院予算委員会で質問に立ちました。倉林氏は原発の避難計画をそれぞれ取り上げ、国民の安全や財政も無視した無責任な安倍政権の姿勢を浮き彫りにしました。
倉林議員は、原発事故の避難計画の破綻を浮き彫りにしました。安倍晋三首相は、答弁を避け続けたうえ「(避難計画に)万全はない」「実際には実動組織で対応」と開き直る無責任な態度に終始しました。
倉林氏は、関西電力高浜原発(福井県高浜町)で大量の放射性物質が放出される過酷事故を想定した広域避難訓練(8月27日実施)を取り上げました。高浜町音海(おとみ)地区では、悪天候により陸上自衛隊のヘリが飛ばず、道路を使い原発に向かって避難しました。京都府舞鶴市成生(なりう)地区でも船舶による避難訓練が実施できませんでした。
倉林氏は、若狭湾の気象データを示し、当日の最高風速を超える日数が昨年1年間で182日もあったと指摘。住民から「この程度で中止ならどうするのか」と声があがったことも紹介し、「実際どう逃げるのか」と安倍首相に迫りました。
内閣府の山本哲也審議官は「天候回復、陸路の警戒解除まで屋内退避施設にとどまってもらう」と説明。安倍首相は「訓練なので、参加する住民の健康等も考慮しながらヘリと船舶での避難訓練を中止した。実際の場合は、実動組織で対応する」と、避難計画に実効性がないことを認めました。
倉林氏は「逃げられないということだ。住民を被ばくさせる。こんな避難計画でいいのか」と厳しく追及しました。
際限ない国民負担認めぬ・・参院予算委 原発コスト膨張 倉林氏追及
日本共産党の倉林明子議員は10月13日の参院予算委員会で、原発の廃炉や賠償、除染にかかるコストが膨らんでいる問題を取り上げ、「際限のない国民への負担のつけ回しは認められない」と強調しました。
原発の通常の廃炉費用は、原発を保有する大手電力会社が電気料金で集めた積立金から支払われる仕組みになっています。しかし、廃炉費用が膨らんでいるため、電力自由化で新規参入した新電力会社にも廃炉費用の負担を求める考えが浮上しています。
倉林氏は、電力業界団体である電事連は、福島第1原発の除染・賠償費用を当初計画(7・9兆円)よりも少なくとも8・1兆円上回るとの報道を示し、廃炉費用の見通しすら出せていないと指摘。「増えた費用は誰が負担するのか」とただしました。
世耕弘成経産相は「(廃炉費用の)積み立て不足が生じるという状況ではない」などと強弁。福島第1原発の除染・賠償費用についても「実際の費用は増加しているものの、ただちに資金に不足が生じるものではない」「事業者が適切に負担するもの」と開き直りました。
倉林氏は「(仮に)原発の廃炉費用の負担を、原発を持たない新電力にも求めるとなれば、電力料金(への上乗せ)として、すべての電気利用者にその負担を求めることになる」「原発でない電気を選びたいという消費者の選択肢も奪うことになり、自由に電気を選べるという電力自由化の趣旨にも反する」と指摘。国民に負担を押し付けるようなやり方は絶対にやめるよう迫りました。
(「しんぶん赤旗」2016年10月14日より転載)