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高濃度汚染水漏れる・・福島第1基準の1万倍

 東京電力は10月6日、福島第1原発で、放射能汚染水をためたタンクの上部から水が漏れているのが見つかったと発表しました。漏れた水には、国の放出基準の1万倍程度の高濃度の放射性物質が含まれていました。東電は、漏えい量を最大約32リットルと推定しています。

 当該のタンクは、溶接型タンクと比べて漏えいリスクが高い、ボルトで締めて組み立てるタイプのフランジ型タンク。東電は、廃炉工程表で今年度早期にフランジ型を溶接型に切り替える目標を掲げていましたが、タンク建設が間に合わず、早くても2018年6月になるとの見通しを先月に示しています。

 東電によると、同日正午すぎ、パトロール中の作業員がタンク上部から水が1秒間に5~6滴ほど滴下しているのを発見しました。

 現場を確認したところ、タンク上部の継ぎ目付近からタンクを囲う堰(せき)内に水が滴下していました。午後1時40分に滴下している水を仮設タンクに導く処置を実施。同6時から翌7日午前8時ごろまで、漏えいタンクから別のタンクヘの汚染水の移送を行ったところ、滴下がなくなったといいます。

漏れた水には、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり59万ベクレル含まれていました。全ベータのうち半分程度がストロンチウム90だと仮定すると、国の放出基準(告示濃度限度=ストロンチウム90は同30ベクレル)の一万倍に相当する濃度。

 セシウム134が同44ベクレル、セシウム137も基準(同90ベクレル)を超ええる同260ベクレル検出されたほか、コバルト60が同200ベクレル、アンチモン125が同780ベクレル検出されました。

(「しんぶん」赤旗2016年10月8日より転載)