東京電力福島第1原発事故の被災者ら約4000人が国と東電に原状回復と完金賠償を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ」福島原発訴訟(中島孝原告団長)の第21回口頭弁論が10月7日、福島地裁(金澤秀樹裁判長)でありました。
関根友美さん、須賀川市で准看護師をする女性、庄子千恵子さん、熊木康博さん、菅野初江さん、山内悟さん、中島原告団長ら原告7人に対する本人尋問がおこなわれ、この日で原告本人尋問の全てが終了。来年3月に結審することになりました。
原告弁護団は、12月に数百人予定の第2陣の提訴を行うことを明らかにしました。
口頭弁論で中島団長は「原発事故後、何事もなかったかのように、原発再稼働か語られるようになりました。われわれの苦労はなんなのか、何もここから(国は)学はないのか。国と東電という大きな組織とたたかう決意をしたのはこの苦労を無駄にしたくない、子や孫の将来をなんとか守る責任がある」からだと訴えました。
楢葉町でそば店を営んでいた山内悟さんは「私の積み重ねてきた人生が、事故によって全部ひっくり返されました。お金で解決できるものではありません。元の故郷が戻って来るまで、被害は終わりません」と陳述しました。
庄子千恵子さんは「今回の事故で、原発の危険性を知りました。危険な原発は要りません。福島の復興を後押しする政策を誠実に実行してください」と、国に強く求めました。
(「しんぶん」赤旗2016年10月8日より転載)