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復水器に高濃度汚染水・・福島第1初期に発生2000トン

 東京電力福島第1原発事故の発生当初に生じた非常に高濃度の放射能汚染水が、1~3号機の復水器内に約2000トンたまっていることが分かりました。28日に開かれた原子力規制委員会の検討会で、東電が原子炉建屋などにたまった汚染水の処理計画の中で示しました。

 東電の資料によると、建屋内の汚染水は合計約6万8000トン(8月現在)。そのうち復水器内には、事故発生当初の高濃度の汚染水が移送されたままになっています。建屋内の汚染水全体に含まれる放射性物質の約8割が、1~3号機の復水器内にあります。復水器内の汚染水は、他の建屋内の汚染水に比べ、約100倍の濃度となる計算。

 東電は、今年度中に1号機復水器の汚染水を別の建屋に移送を進める計画を示しました。2、3号機復水器についても、2017年度上期に水抜きをしたいとしています。

 委員からは実現性への疑問や、高濃度汚染水の移送に伴う危険性を懸念する意見が出ました。高坂潔・福島県原子力総括専門員は、復水器内にたまっている状態と、移送先にたまった状態はどちらが危険性が高いか検討が必要だと指摘しました。次回以降の検討会で具体化される見通しです。

タンク切り替え東電、目標断念・・福島第1の汚染水

 東京電力は9月28日、福島第1原発で放射能汚染水を保管するタンクについて、漏れにくい溶接型に今年度早期に切り替えるとした廃炉工程表の目標を事実上断念し、最短で2018年6月になるとの見通しを示しました。昨年6月に改訂した廃炉工程表で、目標の断念が明らかになったのは初めて。原子力規制委員会の検討会に提出した資料で判明しました。

(「しんぶん」赤旗2016年9月29日より転載)