降雨が続いた影響で、東京電力福島第1原発の護岸近くで地下水位が再び上昇し、観測用の井戸の水位が9月23日午前7時に、地表面の約3センチ上に達しました。一方、隣接する港湾内の海水の放射能濃度が21日に過去最高となりました。
東電によると、井戸の水位が地表面に達したのは22日午後6時25分頃。23日前9時には地表面から約1センチ下まで下がりました。水位が地表面を越えたのは20日夜、21日夜に続いて3回目。今のところ、護岸付近で地下水が湧水している場所は確認されていません。
護岸近くの地下水は高濃度の放射性物質で汚染されており、東電は、汚染地下水が海に流出するのを防ぐため、ポンプやバキュームカーにより地下水のくみ上げを実施しました。
海水の汚染では、港湾内の2箇所の観測点で21日採取した海水から、セシウム137が、1リットル当たり74ベクレル、同95ベクレル検出され、2013年以降の最高値を更新しました。セシウム137の国の放出基準(告示濃度限度)は同90ベクレルです。17日採取の海水はいずれも同11ベクレルで、上昇が続いていました。
海水の放射能濃度上昇をめぐっては汚染地下水の流出が懸念されますが、東電は、地表の放射性物質を含んだ雨水が港湾内に流入したとみており、「地下水の影響の可能性は低い」と説明しています。
(「しんぶん赤旗」2016年9月24日より転載)