フランスの原発で「日本鋳鍛鋼(ちゅうたんこう)」が製造した蒸気発生器に炭素濃度が不均一で部分的に高くなっていることが9月14日、わかりました。同国の原子力規制機関で確認されたことが同日に開かれた原子力規制委員会の定例会合で報告されました。炭素濃度が不均一なことで、材料の強度が不足する恐れがあります。
原子力事業者から規制委への2日の報告では、国内の8原発13基で、同社が製造した原子炉圧力容器が使われていることが明らかになっています。
フランスの原子力安全局は、同国内で運転中の18基の原発で使われているクレゾ・フォルジュ社製と日本鋳鍛鋼製の重要機器について、炭素濃度の不均一による強度不足の恐れがあると6月に発表し、その後も調査を継続しています。
規制委は、今月行われた原子力安全局との年1回の会合で、日本鋳鍛鋼製の蒸気発生器で実際に、炭素濃度が0・3%を超えた部分が見つかったといいます。同国の基準は0・22%以下です。
規制委は事業者に対して10月末までに、炭素濃度が高くなる恐れがある製造方法で造られた機器について、評価するよう指示しています。
(「しんぶん赤旗」2016年9月15日より転載)