原子力規制委員会は9月13日、新規制基準への適合性審査の会合を開き、事故対策拠点を当初の免震構造から耐震構造に変更する九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)、玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の申請内容について、おおむね了承しました。
九電の中村明・発電本部副本部長は「現状では、基準に適合する既存の免震装置はなく、数年以内に設計成立の見通しは得られない」などと述べ、耐震構造に変更した理由について、「免震構造より早く完成できるから」という従来の理由を変えました。
会合で九電は、免震構造を採用した経過を説明。東京電力福島第1原発事故で免震重要棟が活動拠点として活用された実績を踏まえて、基準地震動に対し対策所の機能を維持することが免震機能で可能と判断したので採用したと報告。しかし、そ
の後、免震構造の対策所を設置するまで耐震構造の代替対策所を設置するとした審査書が″合格″した以降の詳しい検討で課題がわかり、免震から耐震に切り替えたなどと説明しました。
その上で、耐震構造を採用する際は、地震が起きた後の使用を確実にするなど「免震構造と同様、信頼性を確保する」と述べました。
一方、玄海原発3、4号機について、この日の審査では耐震・耐津波設計方針も議論され、同原発の主な論点の議論が終わりました。
今後、九電が審査で指摘された点を踏まえて補正申請書を提出し、規制委が基準に適合したとする審査書案を作成します。
(「しんぶん赤旗」2016年9月15日より転載)