1万5894人が亡くなり、今も2557人が行方不明となっている東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から9月11日で5年半になります。岩手、宮城、福島の3県では9万392人が仮設住宅での生活を続けています。災害公営住宅の完成は計画の64%にとどまっています。(7月末)
政府は2016年3月末で集中復興期間を終了し、被災地の「自立」を掲げ、被災自治体の一部財源負担を導入しましたが、被害が甚大な自治体ほど負担が大きくなります。
生業(なりわい)では復興特需で建設業は堅調傾向でしたが、水産加工業などは苦戦。来年度から被災企業へのグループ補助金の自己負担分(4分の1)の返済が本格化し、事業者から不安の声も出ています。
福島県では8月時点で8万8千人が避難を余儀なくされ、原発事故収束もままならないのに安倍政権は原発再稼働を進めています。帰還困難区域以外の地域については17年3月末で避難指示を一律解除する方針です。福島県は自主避難者への住宅無償提供を同時期に打ち切る方針です。
住まいの確立、医療費免除が廃止・縮小されるなかで高齢者の健康をどう守るのか、人口減少・高齢化への対応、生業回復、復興はこれからです。一方、若者が合同会社をつくり、空き家をシェアハウスにして若者を被災地に呼び込み、貸し古着屋、地域アートなどを事業化するなど新たな息吹も起きています。
(「しんぶん赤旗」2016年9月11日より転載)