愛媛県と伊方町は4日、四国電力伊方原発(同町)で地震による重大事故が起き、放射性物質が放出される緊急事態を想定した住民避難訓練を実施しました。日本共産党の田中克彦県議が視察しました。
佐田岬半島の付け根にある伊方原発から西へ5キロ地点の国道197号が地震で寸断され、孤立した半島部の住民が海路で避難するという訓練で、住民約400人が参加。海上自衛隊艦船と民間フェリーで海路避難する計画でしたが、台風12号の影響で海路避難は中止されました。
田中県議は、三机(みつくえ)地区の区長や自主防災会会長、住民らの声を聞きました。
訓練に参加した男性(62)は「避難訓練には多くの問題がある。この地域は橋が多い。原発に被害が出るような地震が来たら、橋は完全に落ちる。港まで行くことはできん。高齢者が多く、全員が避難するのはまず無理だ」と訴えました。
田中県議は「避難訓練そのものは大事なことだが、合理的で納得のいく避難計画とはとても言えない。住民全員の避難ができないのなら、原発を動かさないことが一番の安全対策だ」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2016年9月6日より転載)