日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 免震を耐震に変更「説明は不十分」・・規制委員長代理 & 泊原発5キロ圏の避難計画・・暴風雪なら屋内退避

免震を耐震に変更「説明は不十分」・・規制委員長代理 & 泊原発5キロ圏の避難計画・・暴風雪なら屋内退避

免震を耐震に変更「説明は不十分」・・規制委員長代理

 原子力規制委員会は8月2日、審査中の九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の事故対策拠点となる「緊急時対策棟」の予定地などを現地調査しました。取材に応じた更田豊志委員長代理は、九電が対策棟を免震から耐震構造に変更した理由に関して「十分な説明を受けていない」と批判。長所と短所を明確に整理するよう求めました。

 九電は今年度中の再稼働をねらっていますが、更田氏は「目標としてはかなり高いハードルだと思っている」と述べました。

 九電は3月、昨年8月と10月に再稼働した川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の事故対策拠点を免震から耐震に変更する計画を申請。玄海3、4号機についても計画を変更しました。

(「しんぶん赤旗」2016年9月3日より転載)

 


泊原発5キロ圏の避難計画・・暴風雪なら屋内退避

 北海道電力泊原発(北海道泊村)の重大事故に備え、住民避難計画の具体的内容を検討する泊地域原子力防災協議会が8月2日、東京都内で開かれました。

 避難用バスや避難先の割り当てなどを定めた計画「泊地域の緊急時対応」を了承し、暴風雪警報の発令時には原発から半径5キロ圏内の住民にも屋内退避を求めることを盛り込みました。しかし、5キロ圏の泊村、共和町で放射線防護能力を持った施設は2箇所しかなく、初期被ばくを軽減する安定ヨウ素剤についても共和町は住民に事前配布していないため、効果が期待できる時間内に配布できるか懸念されます。

 国の指針は5キロ圏について、事故時の即時避難を原則にしています。屋内退避の場合でも、熊本地震でみられたように、事故と同時に地震が起きれば自宅が損壊する恐れがあります。また、退避用の防護施設の拡充や、避難路の除雪要員確保など他にも課題は多くあります。

 同協議会は内閣府などの関係省庁と北海道で構成。オブザーバーとして、30キロ圏に含まれる13町村と北海道電力が参加しています。

 計画では、5キロ圏の泊村、共和町の住民計約2900人について複数の避難ルートを準備し、札幌市内などの宿泊施設を用意。30キロ圏の住民約7万9000人は札幌市や苫小牧市など13市町村の避難先を指定しました。

 北海道は厳冬期、暴風雪も予想されます。計画は5キロ圏でも暴風雪警報発令時には無理に避難せず、警報解除まで住民に屋内退避を求めるとしています。

(「しんぶん赤旗」2016年9月3日より転載)