8月に相次いで接近した台風による大雨の影響で、東京電力福島第1原発の放射能汚染水対策として1~4号機周囲の地盤を凍らせる「凍土壁」(陸側遮水壁)の一部が溶けたとみられることが分かりました。東電が8月1日、記者会見で明らかにしました。
東電によると、凍土壁海側のうち、3号機東側と4号機南側の計2カ所で、0度以下だった温度が上昇し0度を上回りました。台風の大雨により、凍土壁の周辺を流れる地下水量が増加したことが影響したとみられます。
東電は、この2カ所で地下水の流速を遅くするための補助工事を行うとしています。
東電によると、同原発構内では8月に計500ミリの雨が降りました。8月30日の護岸からの地下水くみ上げ量は740トン。7月のくみ上げ量は1日当たり平均約350トンでした。
3月末から運用している凍土壁について、東電は9月中に効果を示したいとしています。
(「しんぶん赤旗」2016年9月3日より転載)