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福井・京都・滋賀など広域避難訓練・・悪天候で 一部ヘリ、船舶中止/高浜原発事故想定

放射能汚染の検査を受ける避難バス=8月27日、福井県美浜町
放射能汚染の検査を受ける避難バス=8月27日、福井県美浜町

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)の過酷事故を想定して8月27日、原発から30キロ圏の住民が圏外に逃げる広域避難訓練が実施されました。内閣府と、福井、京都、滋賀の3府県、関西広域連合の合同訓練で、住民は福井県と京都府から計約

1300人が参加し、福井県では、兵庫県など県外に避難する訓練が初めて行われました。

 高浜原発の30キロ圏には、福井、京都両府県の約18万人が住み、事故時の避難は2段階方式で、原発から5キロ圏(高浜町は6キロ圏)には放射性物質の放出前の段階に、5〜30キロ圏は、放射性物質が飛来して放射線量が基準を超えた地域に指示が出ます。甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤は、5キロ圏住民にのみ平時から配られています。

 今回の訓練は、若狭湾沖の海底地震による事故発生を想定。福井県では約230人が県外に、500人弱が県内の越前市などに避難しました。今回の参加は、人数は以前より多いものの、車両数は限られ、高浜原発から40キロほど離れた美浜町役場に県内でただ1カ所設けられた放射能汚染の検査(スクリーニング)・除染場所を経由したのは、自家用車14台、バス20台を含む計42台だけでした。自家用車を基本とする計画の実効性が検証できるか疑問です。悪天候のため、一部ヘリと船舶による避難は中止されました。

 訓練に初めて参加した若狭町の男性(70)は「住民に避難先が周知されていない」とも話していました。

 広域避難訓練のほか、5〜30キロ圏では、自宅への屋内退避や、家屋倒壊を想定した指定避難所退避の訓練が行われました。

 28日は、関電大飯原発(福井県おおい町)の事故を想定した県内広域避難訓練が実施されます。

(「しんぶん赤旗」2016年8月28日より転載)