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再会うれしい 友達できた・・福島・双葉郡の小学生が交流 & 8町村の通学児童数・・原発事故前のわずか8・3%に

再会うれしい 友達できた・・福島・双葉郡の小学生が交流

ゲームをする子どもたち=8月10日、福島県郡山市
ゲームをする子どもたち=8月10日、福島県郡山市

 福島県双葉郡8町村の小学校17校(うち休校4校)の子どもたち160人と保護者、教職員らが8月10日、郡山市に集まり、「双葉郡小学校絆づくり交流会」を開きました。

 東京電力福島第1原発事故からの復興をめざす双葉郡の未来を見据えて、町村の枠を越えた仲間づくりをとのよびかけに、昨年の第1回を60人上回る子どもたちが県内各地から集まり、ゲームやミニ運動会に汗を流し楽しみました。

 富岡町の富岡第一小学校(三春町で開校)6年の岡田悠雅さん(11、郡山市在住)は、2年生になるときに双葉北小学校に転校していった元同級生と再会できたと喜びます。

 「ふだんは近くの葛尾小学校と体育の授業をいっしょにやるくらいだけど、今日は双葉のみんなといっしょになれてよかった」

 お楽しみコーナーに並び、綿あめ、ポップコーンを笑顔で食べていた、双葉町の双葉北小学校(いわき市で開校)6年の奥谷郁さん(12、いわき市在住)。「双葉町の保育園にいっしょに通っていた友達と5年ぶりにあえてうれしかった。新しい友達もできた」

 浪江町の浪江小学校(二本松市で開校)3年の三瓶晴奈さん(8、二本松市在住)は、「スイカ割りを一発で当てて楽しい—。こんなにたくさん来ていてよかった」。

 川内村の川内小学校1年の長男と参加した父親(49)は、「村内だと限られた人数のお友達しかいないが、小さいうちから郡内の交流があるのはいい。息子は今日は元気をもらえました」。

 全8町村が避難を余儀なくされた同郡の教育復興ビジョン推進協議会(教育長8人らで構成)が主催しました。

(「しんぶん赤旗」2016年8月11日より転載)

 


8町村の通学児童数・・原発事故前のわずか8・3%に

 全域避難となった福島県双葉郡8町村のうち、帰還した川内村と広野町の2町村(各小中1校)を除く6町村は避難先で小中学校を開校しています。浪江町、葛尾村、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町の、小学校13校(4校が休校)と中学校11校(2校が休校)です。

 8町村の小学校に通う子どもは現在、原発事故前(4000人超)の8・3%にあたる340人。微減額向が止まりません。

 政府は、帰還困難区域を除いた避難指示解除準備区域と居住制限区域での避難指示解除をめざしています。そのため、小中学校の帰還を検討する町村もあります。

 避難先で開校している学校に現在通っている子どもたちは、帰還する学校に通うか、避難先の地元の学校に転校するかの選択を余儀なくされます。交流会に1年生の娘と参加したある母親は「すごく悩んでいる最中です」といいます。

 原発事故直後と同じように、また同級生と別れることになるため、保護者からは延期をふくむ多様な希望、意見があがっています。

(「しんぶん赤旗」2016年8月11日より転載)