溶融燃料 圧力容器底に・・福島第1原発2号機 東電が発表
高エネルギー宇宙線を利用した″透視技術″によって東京電力福島第1原発2号機の原子炉内部を測定した結果、圧力容器の中央部から溶け落ちた核燃料の大部分は容器の底部にあると推定されることがわかりました。東電が7月28日、発表しました。
圧力容器中央部の物質量は事故前、核燃料約160トンと制御棒約15トンでしたが、今回の測定結果は推定約20〜50トンでした。一方で、圧力容器底部の物質量は約35トンから約160トンに増えたと推定しています。燃料デブリ(溶けた燃料)の大部分が圧力容器底部にあるとみています。
得られた結果は、燃料デブリの取り出し工法の検討に活用します。東電担当者は記者会見で、「どの工法が有効かに結び付く情報にはなっていない」と述べ、今後、ロボットによる調査をする予定です。
東電や高エネルギー加速器研究機構などは、地球に降り注ぐ宇宙線が物質とぶつかって生じる「ミュー粒子」の飛来方向や個数を測定器で調べ、原子炉内部の様子をイメージ化しました。2号機の測定は今年3月〜7月に実施。
同技術を使い昨年、1号機を測定。ほぼすべての核燃料が下部に溶け落ちたと推定しました。
(「しんぶん赤旗」2016年7月29日より転載)
来月17日から燃料取り出し・・関電・高浜原発
関西電力は7月28日、高浜原発3、4号機(福井県)の原子炉内にある核燃料計314体について、4号機は8月17〜19日、3号機は9月5〜7日に取り出すと発表しました。
大津地裁は3月、高浜3、4号機の運転差し止めを命じる仮処分決定を出し、関電の異議も認めませんでした。
関電は大阪高裁に保全抗告と執行停止を申し立てましたが、停止状態が長期化すると判断しました。
(「しんぶん赤旗」2016年7月29日より転載)