内開府は7月27日、日本が国内外に保有するプルトニウムの総量が2015年末時点で前年比0・1トン増の約47・9トンだったと、原子力委員会に報告しました。
プルトニウムは原発の使用済み核燃料から再処理で取り出したもの。47・9トンのうち、核分裂性プルトニウムは約31・9トン(長崎型原爆で6000発以上に相当)あります。
総量の内訳は、国内保管分か前年と変わらず約10・8トンで、海外に再処理を委託し返還されていない海外保管分がイギリスに約20・9トン、フランスに約16・2トンで、計約37・1トン。イギリスに再処理を委託した使用済み核燃料に含まれる約1トンのプルトニウムが18年ごろまでにさらに増えるといいます。
政府は、使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを核燃料として使用する「核燃料サイクル」に固執。しかし、プルトニウムを燃やす高速増殖炉「もんじゅ」が事故などで20年間一度も発電しておらず、青森県の再処理工場も完成時期を23回延期するなど破たんしています。
利用目的のないプルトニウムが増え続けることに世界から疑念の目を向けられています。このため、政府は一般の商業用原発でプルトニウムを含むMOX(モックス)燃料を使うプルサーマルや、全量MOX燃料を使う大間原発(青森県)の建設を推進。しかし、これらの計画には専門家や住民から危険性を指摘する声や不安の声が上がっています。
(「しんぶん赤旗」2016年7月28日より転載)