政府の地震調査委員会は7月1日、中国地域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が今後30年以内に発生する確率を50%とする長期評価を公表しました。全域を三つに分けた場合、鳥取県と島根県東部、岡山県北部、広島県北東部を含む「北
部」が40%と最も高く、島根、広島両県西部と山□県の「西部」は14〜20%、岡山県南部と広島県南東部の「東部」は2〜3%と評価されました。
一方、各区域で予想される最大規模の地震は、西部の菊川断層帯のM7・8〜8・2以上が最も大きく、最新の調査結果では、同断層帯は日本海から山口県西部の瀬戸内海側にかけて114キロ以上に及ぶと推定され、従来の評価の2倍以上長くなりました。
県庁所在市では、松江市の宍道(鹿島)断層(長さ21キロ以上)が活動した場合、M7・0以上と新たに評価。近くには中国電力島根原発があります。
地震調査委の平田直委員長(東京大学教授)は「M6・8以上の地震確率が今後30年以内で50%というのは非常に高い。防災・減災に活用してほしい」と話しています。
宍道断層の北約2キロに島根原発
県庁所在地で唯一の原発である島根原発は宍道断層の北約2キロにあります。中国電は2号機の再稼働を目指しており、原子力規制委員会で審査が進められています。
中国電は当初、宍道断層を活断層と認めていませんでしたが、1998年、3号機の増設に伴う断層調査で初めて認めました。そのときの長さは8キロでした。その後10キロに訂正し、さらに約22キロ、想定する地震の揺れ(基準地震動)を600ガルとしました。
しかし、規制委の指摘を受けて長さを約25キロに変更。基準地震動も800ガルに引き上げる方針を示した経緯があります。2号機がつくられたときの基準地震動は、398ガルにすぎませんでした。
(「しんぶん赤旗」2016年7月2日より転載)