【ワシントン=島田峰隆】北米自由貿易協定(NAFTA)に参加する米国、カナダ、メキシコの3カ国は6月29日、カナダの首都オタワで首脳会議を開きました。3カ国は地球温暖化対策として、火力発電以外による発電の割合を2025年までに5割に引き上けるとする目標をまとめました。
ホワイトハウスによると、3カ国は地球温暖化対策の新たな国際条約「パリ協定」の発効に必要な国内手続きを年内に済ませる方針を再確認しました。
「3カ国はパリ協定を早期に発効させる能力、資源、道徳的な責務を持っている」としました。
25年までに発電の50%を太陽光や風力などの再生可能エネルギーや原子力に由来するとし、石油やガス部門からのメタンガス排出を同年までに40〜45%削減することを共通目標にしました。また石炭火力発電への補助金を25年までに段階的に廃止します。主要20カ国・地域(G20)にも同様の措置を呼び掛けました。
カナダのトルドー首相は共同会見で「明確な内容であり、達成への現実的な道筋を示している」と語りました。
環境NGO「350.org」は「大きな一歩だ。ただし野心的な目標の発表は温暖化の壊滅的な影響を防ぐ上で必要な実際の行動とは別物だ」として実践を促しました。環境団体はおおむね歓迎していますが、原発の活用などを含んでいることへ批判もあります。
(「しんぶん赤旗」2016年7月1日より転載)