東京電力は6月26日、福島第1原発で、処理途中の高濃度の放射能汚染水をためているタンクからの漏えいが発生じたと発表しました。
東電によると、26日午前8時15分ごろ、構内南側のG6タンク工リアで組み立て型(フランジ型)タンクの接続部からにじみ出た水が、タンクを囲うせきの内側に滴下しているのを、パトロール中の作業員が見つけました。滴下は、1秒に5〜6滴程度。前夜のパトロールで滴下がないことが確認されていたとして、東電は、漏えい量を最大で約72リットルと推定しています。
漏れた汚染水の濃度は、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり9万6000ベクレル、放射性セシウムが同700ベクレル。東電は、27日までに当該タンクの汚染水約380トンを別のタンクに移送しました。
フランジ型タンクでの汚染水漏れが頻発したことから、東電は、漏えいリスクの低い溶接型タンクヘの切り替えを進めるとしています。一方、処理すべき汚染水の増加と比べて溶接型タンクの建設は遅れています。そのため東電は、多核種除去設備(ALPS)で処理した比較的低濃度の汚染水をためる溶接型タンクの空き容量が少ないとして、処理途中の高濃度汚染水の貯留先にフランジ型タンクの使用を継続する対応をとっています。
(「しんぶん赤旗」2016年6月28日より転載)