東電福島第1原発・・この1週間
■6月20日 構内を舗装したことなどにより、排水路を流れる雨水の増加対策として新たに排水路を設ける工事が終わり通水しました。港湾に流れ込む二つの排水路につながっています。北側ルート(物揚場方向)は今年(2016年)4月に通水。南側ルート(K排水路方向)が今回、完成しました。
■6月21日 東京電力の広瀬直己社長が、原発事故で原子炉内の核燃料が溶け落ちる「炉心溶融(メルトダウン)」という言葉を使わないよう当時の社長が社内に指示していた問題について、「隠ぺい」に当たるという認識を示しました。
■同日 新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会が、事故分析のため、1号機タービン建屋にある非常用高圧電源盤の浸水状況などを現地調査しました。
■6月22日 タンクエリアで水処理設備の配管工事をしていた関連会社の男性作業員(50代)が、足場から足を踏み外し右足を負傷。救急医療室で医師から骨折と診断され、いわき市内の病院へ救急車で搬送されました。意識はあるといいます。同病院は、約2ヵ月の治療の見込みと診断しました。
■同日 1〜4号機の各タービン建屋の海側にある「逆洗弁ピット」にたまった高濃度の放射能汚染水が、周辺の土壌に染み込んで地下水を汚染している問題で、東電は3号機ピットの汚染水をタービン建屋に移送する作業を開始しました。逆洗弁ピットは深さ約6メートルで、冷却用の海水配管を洗浄するための弁が設置され、壁面を配管が貫通しています。事故前は雨水をポンプで排水していましたが、事故後は汚染水がたまっています。ピット内の水位が低下していることが4月末ごろから確認されました。3号機ピットの汚染水濃度(5月18日採取)は、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり1万5000ベクレル、セシウム137が同1万2000ベクレル。
(「しんぶん赤旗」2016年6月27日より転載)
原発ゼロの声 国会へ・・福島原告ら山添候補にエール
日本共産党の参院選東京選挙区候補の山添拓(やまぞえ・たく)弁護士は、福島原発事故「いわき市民訴訟」「被害避難者訴訟」の弁護団の一員として、勝訴判決を取るために全力で活動してきました。
福島地裁いわき支部の法廷では国と東電の責任論などに鋭くメスを入れ、被告の国と東京電力を追い詰める論陣を張ってきました。
いわき市民訴訟原告で原発事故の完全賠償をさせる会共同代表の佐藤三男さんは、「原発事故から5年を理由に福島切り捨てが進んでいます。原発事故被害者に寄り添い、国会でも追及してほしい」とメッセージを送ります。
同原告団の阿部節子さんは、「国政でやってほしいことの1番は原発ゼロにすること。日本は弱いものに酷な社会です。子どもたちの健康、被災者の老後支援を充実させる施策を」と期待の声を寄せています。
「避難者訴訟」原告団団長の早川篤雄さんは「情熱と正義に燃えた好青年です。訴訟の目標は、法的責任を認めて謝れ、完全賠償をして償え、なくせ!原発の三つです。山添さんは、弁護団の中で責任論を担当し、第一人者でした。三つの目標を国政で実現してください」と激励します。
同事務局次長の小川貴永さんは「被災者の医療や地域支援を強化してほしいです」と期待しています。
(「しんぶん赤旗」2016年6月27日より転載)