世界の太陽光と風力発電が今後急拡大し、2040年には世界の発電能力の42%を占めるとの予測を民間調査機関「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)が6月13日、発表した。日本も家庭用の太陽光発電などが拡大、15年の13%から40年には32%に増えるという。
石炭や天然ガスなどの化石燃料が占める比率は大幅に下がるが、電力需要がインドや東南アジアを中心に増えるため、電力部門の二酸化炭素(CO2)排出量は5%増えるとみられる。
BNEFは「産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えるパリ協定の目標達成にはさらに5兆3千億ドル(約560兆円)の投資が必要だ」と指摘した。
BNEFによると、40年の風力の発電コストは15年比で41%、太陽光は60%低下する。一方、発電能力に占める二つのエネルギーの比率は11%から42%に急拡大。総発電量に占める比率も5%から30%に増える。原子力の伸びは少なく、40年の設備容量は全体の4%、発電量では10%強にとどまる。
日本は再生可能エネルギーが増えるものの、原子力の減少分を石炭火力でカバーすることになり、30年以降、石炭火力発電の比率も発電量も増加が予測される。BNEFは「電力需要は大幅に減るため、電力部門の排出削減に関する
30年の日本政府の目標はどうにか達成できるものの、それ以降の削減は極めて困難になる」と分析した。
(「西日本新聞・電子版」2016年6月13日より転載)