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高浜1・2号 公開審査終了・・規制委 & 福島第1 凍土壁に追加工事

高浜1・2号 公開審査終了・・規制委

 原子力規制委員会は2日、40年を超える運転延長を申請している関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の延長申請の公開での審査を終了しました。規制委が、40年を超える原発の運転延長を認可すれば、初めてのことになります。

 東京電力福島第1原発事故を受けて改定された原子炉等規制法は、原発の運転期間を原則40年としながら、規制委の認可を受ければ最長で20年の延長ができるとしています。規制委は、高浜1、2号機の運転延長申請に関して6回の公開審査を実施しました。

 すでに運転開始から40年を超えている高浜1、2号機の場合、規制委から運転延長の認可を受ける期限は7月7日までです。今年4月に運転延長認可の前提となる設置変更を許可しており、規制委は現在、設備の詳細な仕様を定めた工事計画の審査を進めています。

 規制委はまた、原子炉内の構造物の耐震評価に必要な実験について、期限がある設置変更や工事計画の審査ではなく、使用前検査で確認することにしています。

 高浜原発1、2号機をめぐっては、福井県の住民らが、国を相手取り運転延長認可の差し止めを求め、名古屋地裁に提訴しています。

(「しんぶん赤旗」2016年6月3日より転載)

 


福島第1 凍土壁に追加工事・・山側は凍結範囲拡大

 東京電力福島第1原発の放射能汚染水対策として1〜4号機周囲の土壌を凍らせる「凍土壁」(陸側遮水壁)について、東電は6月2日、未凍結箇所の追加の補助工事と、山側の運用範囲を広げる方針を原子力規制委員会の検討会で示しました。

 補助工事は、1号機の北側など計6ヵ所で計画。想定通りに凍っていない部分にセメント系の材料を注入することで、地下水の流れを遅くし凍結を促進させます。東電は、来週にも工事に取りかかるといいます。

 一方、凍土壁は3月末から、海側全面と山側の一部で運用していましたが、次の段階まで凍らせないことになっている7ヵ所を除き、山側の運用範囲を95%に広げます。

 地下水への影響では、サブドレン(井戸)のくみ上げ量が凍結開始前の1月8日〜3月31日は1日当たり平均420トンでしたが、開始後の5月13〜26日は同460トン。建屋への地下水流人量も同時期、190トンだったのが210トンで、いずれも大きな変化はありません。

 東電は、凍土壁海側の内外で地下水位差が生じており、効果が表れていると説明しました。ただ、地下水のくみ上げ量はほとんど変化していないため、検討委のメンバーから、「効果の発現を明瞭に示せない状況」などの声が上がりました。

(「しんぶん赤旗」2016年6月3日より転載)