原子力規制委員会から運営主体の交代を勧告された日本原子力研究開発機構・高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の設置許可取り消し(主位的請求)と、同許可処分の無効確認(予備的請求)を求め、福井県民など105人が規制委を相手取った訴訟の第2回口頭弁論が5月30日、東京地裁(舘内比佐志裁判長)で開かれました。
取り消しを求める法的根拠について、原告側の大河陽子弁護士は、「もんじゅは、度重なる保安規定違反、不都合な情報の隠匿などの安全性を全く確保できていない事態が長年にわたって継続。改善の見込みがない」と強調。「規制委は、もんじゅの設置許可を取り消す義務がある。行わないことは、裁量権の逸脱、濫用」と主張しました。
これに対して舘内裁判長は規制委側に対し、「できますね!」と6月22日までと期限を切って、反論する書面を提出するよう催促しました。
裁判後、参院議員会館で報告集会が開かれました。もんじゅの運営を検討してきた文科省の有識者検討会が27日にまとめた報告書について、原告弁護団の河合弘之弁護士は、新運営主体の要件を示しただけなどと厳しく批判しました。
機構が「訴訟の結果により権利を害される第三者」だとして行政事件訴訟法に基づき訴訟参加を申し立てたのに対し、地裁は今月9日、訴訟参加を決定。被告側の席に、機構の弁護士も座りました。
次回の弁論は6月29日、次々回は9月7日と決まりました。
(2016年5月31日、山本雅彦)