日本共産党の田村智子議員は5月20日の参院東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会で、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)について、廃炉を検討するよう求めました。
原子力規制委員会は昨年11月、日本原子力研究開発機構(JAEA)にはもんじゅを運転する能力はないとして、新たな運営主体を勧告しました。
高速増殖炉は、軽水炉よりも純度の高いプルトニウムを大量に生成します。田村氏は、すでに日本のプルトニウム保有量は世界各国の2割(約48トン)を占めており、世界の核不拡散の流れに逆行して外交問題にも発展する危険を示し、「文科省がやるべきは、もんじゅの延命ではなく、廃炉を含めた検討だ」と提起しました。
冨岡勉文科副大臣は、高速増殖炉は放射性廃棄物をより少なくすることが可能で、「その研究開発は世界のためにも重要だ」と答弁。田村氏は研究のゆきづまりを指摘し、「文科省の対応は、現状維持の延命策を探っているにすぎない」として、改めて規制委員会に再勧告、設置許可の取り消しを求めました。
規制委の田中俊一委員長は「文科省から勧告への回答を得て対応を検討する」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2016年5月24日より転載)