千葉県袖ケ浦市に国内最大規模の石炭火力発電所(2基、200万キロワット)が新規に計画されている問題を考える集いが5月22日、同市内で開かれました。主催は、袖ケ浦市民が望む政策研究会。ビラを見た市民らが参加しました。
関巌会長が「昨年(2015年)秋、市民に計画が知らされ、なぜ?と驚いたが、税収が上がると歓迎する動きもある。まず石炭火力の問題点をよく知ろう」とあいさつ。気候ネットワークの平田仁子さんが地球温暖化と化石燃料をめぐる世界の動きを、グリーンピース・インターナショナルのラウリさんが石炭火力発電所と大気汚染・健康影響を、話しました。
ラウリさんは「日本では東京・千葉、大阪・神戸など人口過密地域に建設が予定され、驚いた」と語り、モデルを使って分析した微小粒子状物質(PM2・5)などの汚染予測を紹介。「東京・千葉で計画中の発電所による大気汚染は、仙台、名古屋まで広範囲にわたる」と警告しました。
会場から質問が相次ぎ、「やめろというのは簡単だが、その代わりは」との問いにラウリさんは、米国で約200ヵ所の石炭火力発電所計画が再生可能エネルギーのコストが下がるなかで頓挫したと紹介し、「安全でクリーンなエネルギーはある」と強調しました。
同発電所は東京ガスや九州電力などが出資する千葉袖ケ浦エナジーが運営し、2025年に運転開始予定。環境影響評価は第3段階に入っています。
(「しんぶん赤旗」2016年5月23日より転載)