農山村に発電の施設を設置していく「再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律」が昨年(2013年)成立し、実施にむけた農水省の説明会が開かれています。そこでは、太陽光発電を設置したい業者の土地利用に関する質問が目立ちます。太陽光発電をすすめる農業関係者は、「業者の乱開発を招く心配がある。太陽光発電は、地域住民主体でやることが大事だ」と指摘します。
農山村の再生可能の電力には、太陽光発電や風力発電、小水力発電、木質燃料の発電、畜産バイオマス発電などがあります。
同法によると、市町村に対策協議会をつくります。司協議会は、市町村担当者、発電業者、農林漁業団体、地域住民・学識経験者で構成します。「1カ所でさまざまな法律の許認可事項に対応できる」(農水省食料産業局)ことになります。
協議会では、再生エネルギー導入と土地利用の調整などをする「基本計画」を策定します。導入は荒廃農地が基本ですが、優良農地でも耕作者がいない場合、一定条件のもと太陽光発電を設置できるようになります。
農地を発電設置業者に貸した場合、農業収入以上の地代となります。関東農政局での説明会に参加した農民連の湯川暁代さんは「農地利用の細かいことを聞く業者がほとんどだった」といいます。農業経営が厳しい中で、農地が乱開発される事態も指摘されています。
一方、中途解約の場合は、業者が高額な違約金を農家に請求することもあります。
福島県農民連では、雑種地や林地を利用して、農家共同で太陽光発電事業を開始しています。
事務局の佐々木健洋さんは、「太陽光発電をすすめるのはよいことだが、自分で設置するか、地域住民主体でやることが大事だ。そうでないと開発業者に農地が食い物にされる心配がある」と指摘します。