日本共産党の倉林明子議員は3月31日、参院経済産業委員会で、電力業界による二酸化炭素(CO2)大量排出の実態を告発し、温室効果ガスの排出削減に取り組む世界の流れに逆行すると批判しました。
「京都議定書」(1997年の国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議=COP3=が採択)が活用を認めている「京都メカニズム」は、自国で温室効果ガスの削減が困難な場合、他国での共同事業等で削減した分を自国分として代替できる制度。本来、国内での削減が基本で、補足的活用に限定すべきでした。
倉林氏は、電気事業連合会(電事連)が活用した京都メカニズムは日本全体の7割(2・7億トン)にも上り、CO2の90年度比20%低減を目標に掲げながら、実際は2億トンも増加したとし、「京都メカニズムをこれだけ活用しても目標達成できず、排出を増やし続けている」と厳しく批判。林幹雄経産相は、「産業界の取り組みは高い成果をあげてきた。今後も自主的取り組みを柱にする」と擁護する姿勢に終始しました。
倉林氏は、「電気事業低炭素社会協議会」(電事連加盟各社が2月に設立)が「実行計画」で「30年に最大1100万トンCO2排出削減」を掲げるが「業界の自主努力では達成できなかったことを教訓とすべきだ。昨年のCOP21では今世紀後半までに温室効果ガス排出ゼロを目指すと決めた。そのためにも、排出量の総量規制を義務づけるべきだ」と迫りました。
(「しんぶん赤旗」2016年4月5日より転載)