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電力自由化スタートを前に・・相談急増、注意点は

gurafu16-4-2 消費者が電力会社を自由に選択できる電力小売自由化が4月から始まります。スタートを前に各地の消費生活センターや国民生活センター、経済産業省電力取引監視等委員会への相談が急増しています。相談内容と注意点をみました。

(徳永慎二)

 消費生活センターや国民生活センターに寄せられた昨年10〜12月の相談件数は64件。今年1〜3月(24日まで)は584件(グラフ1)。ざっと9倍です。

 国民生活センター相談情報部の遠藤陽介さんはこれについて「今年に入って電力自由化の報道も多くなり、消費者の関心が高まったことがあります。まだまだ増えることが予想されます。忙しくなってきています」といいます。

「関連会社だ」と

 相談の一つの傾向として、電力自由化を口実にした便乗型商法があるといいます。

 以下は事例の一つです。「大手電力会社の関連会社と名乗る人から電話があり、『電力が自由化されるが、電気料金を無料にする話がある』と言われ、話を聞いた。しかし、よく聞くと太陽光パネルを設置し、売電すればその分電気料金が安くなるということだった」。電力自由化に便乗した太陽光パネルの売り込みです。電気温水器や蓄電池の売り込みもあるといいます。

 もう一つの傾向が「怪しい電話」です。「電力会社の代理店を名乗る人から電力自由化に関する提案ということで電話があった。電力会社に問い合わせたところ、そのような代理店はないということだった」

 同センターと連携する電力取引監視等委員会には、次の事例が寄せられています。「電力会社と業務提携しているという会社の人から、『検針票を電力会社に送ると今より良いメニューが提案できる』と言われ、検針票の写真を撮られた。電力会社に確認すると、そんな業務はしていないと言われた」。通信機能を有した新しい電力計量計のスマートメーターにかかわって「『スマートメーターをつけると電気料金が半額になる』といわれた。設置には費用がかかるのか」というのがありました。

 同委員会には今年に入って359件(3月11日現在)の相談(グラフ2)が寄せちれています。事務局の岩男健佑さんは「昨年はまだ、電力自由化ってなんですかなどの相談が多かった。今年1月から電力会社がプランを出して営業行為を始めると、相談は契約内容など具体的になっています」と話します。

よく情報収集を

 国民生活センターや、監視等委員会は消費者向けに次のようなアドバイスをしています。

 ▽企業の営業行為に対しては、会社名や担当者、連絡先を正確に確認する

 ▽契約する場合、よく情報収集する。料金、契約期間、違約金や手数料など内容を知った上で判断する

 ▽電気料金が安くなるといった場合は、その条件を確認する。他の商品・サービスとセットのときは、それが不要であればその旨をはっきり伝える

 ▽営業内容が不審だと感じたら、検針票を見せたり、個人情報を提供したりしない

 ▽スマートメーターの設置には基本的に費用は発生しない。「設置費用免除」や「割引」に惑わされない

 ▽小売電気事業者は契約にあたり、消費者に料金や解約について書面で説明する法律上の義務がある。求める説明をしないなどの場合は契約しない

下記は、「便乗商法に注意して」とよびかける国民生活センターのチラシ

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(「しんぶん赤旗」2016年3月30日より転載)