東京電力は2月21日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、19日にタンクから100トンの高濃度の汚染水が漏れた事故について、タンクにつながる三つの弁が19日午前中はすべて開いていたと発表しました。前日の発表では、三つの弁のうち、一つは閉まっていたが、故障していたためにタンクヘ汚染水が入った可能性があると説明していました。
東電によると、大量の汚染水が漏れたのは、建屋地下などに滞留している汚染水を処理した後の廃液をタンクヘ移送する際、移送を予定していたのとは別のタンクヘ流れたためです。タンク上部からあふれ1リットル当たり2億3000万ベクレルの全ベータ(ストロンチウム90など)を含む汚染水約100トンが堰(せき)の外へ流出しました。
東電は21日の会見で、19日の午前11時ごろに撮影した弁の写真を公開。タンクにつながる弁が三つとも開いており、故障の可能性があるとした弁には、弁を開閉するレバーもついたままでした。レバーは通常はずしているといいます。一方で、本来移送をしていたタンクヘつながる配管の弁は閉じていました。
また、19日午後11時25分ごろ、タンクからの漏えいが発見された後に弁を調べた際には、当該タンクにつながる弁のうち一つは閉じていました。
東電は、「(20日は)弁が閉まっているはずなのに流れたとしていたが、(弁が)開閉(操作)されていた」と話しています。作業員への聞き取りも含め、ひき続き調査するといいます。