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“大震災5年 300人調査から”被災者の願い⑥・・私たち 置いてきぼり/冷たい政治に怒り

仮設団地の集会所で話をする人たち=2月29日、宮城県石巻市
仮設団地の集会所で話をする人たち=2月29日、宮城県石巻市

 300人実態調査で被災者を訪ね歩いて実感するのは、政治に対する怒りが調査の回を重ねるたびに語気鋭くなっていることです。

 「安倍さんは悪いなあ。自分たちのことしか考えてないんじゃないのか」というのは岩手県宮古市の仮設住宅で暮らす若山壽雄(としお)さん(66)。「消費税は8%でもゆるくない。家計が苦しくて、貯蓄を取り崩しているんだ」

増税が追い打ち

 7割の被災者が、家計が震災前より苦しくなったと訴える状況。消費税増税は「2品食べられていたおかずが1品に」(同県釜石の災害公営住宅の女性=75=)と追い打ちをかけます。「被災者は、自宅再建や家具購入で消費税を逃れられない」(宮城県気仙沼市の女性=66=)という声が相次ぎ、9割もが被災者の暮らしに影響があると答えました。

 安倍首相が売り物にする経済政策「アベノミクス」も、被災地の復興に役立っているかを問うと、7割が「想わない」と回答。「思う」はわずか5%でした。

 福島市の仮設住宅で避難生活をおくる金沢一喜さん(78)は「アベノミクスで

富裕層がもうけて、私たちは置いてきぼり。被災者を無視したやり方に怒りを感じています」と語ります。同市の建設業手伝いの女性(49)も「美辞麗句を並べたてて、私たちと向き合いたくないだけでしょう」と憤ります。

  一方、被災者の生活再建に力を注ぐ日本共産党への期待や激励の言葉が取材先で寄せられました。

 宮城県石巻市の仮設住宅で暮らす今野八里子さん(83)は「共産党の人はみんな親切。被災直後の大変なときから支援してくれた」と振り返ります。

 今回の実態調査では、避難生活が長期化するなか、被災者の苦境がいっそう深まっていることが浮かび上がりました。ところが安倍政権は、被災者への支援策を次々と後退させようとしています。

公的支援が必要

 日本共産党が求めている被災者生活再建支援金の上限300万円から500万円への引き上げなど、「再建するまで必要な公的支援を実施してほしいですか」と問うと、「大いに思う」66%、「少し思う」18%で、計84%に上りました。

 同県南三陸町でカキ、ワカメの養殖と自宅の再建をめざす漁師の男性(66)は、こう力を込めて訴えました。「おれたちは復興に向けて、これ以上できないと思うほど必死でがんばってきたつもりだ。町も一生懸命やってくれている。でも東日本大震災の被害はあまりにも大きい。被災者が立ち上がれるところまで国に応援してもらいたい」

(おわり)

(東日本大震災取材班)

(「しんぶん赤旗」2016年3月18日より転載)