日本共産党の藤野保史議員は3月9日、衆院経済産業委員会で、九州電力が川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の事故時の対応拠点となる免震重要棟の設置を再稼働後に撤回した問題を取り上げました。
藤野氏は、東京電力福島第1原発事故について「免震重要棟がなかったら東日本は崩壊していたのではないか」などといった国内外の専門家の指摘を紹介。免震重要棟を造らないのは「福島原発事故の痛切な教訓を踏まえていないことになる」と強調しました。
藤野氏は、川内原発が新規制基準に“合格”したとする原子力規制委員会の審査書に「免震重要棟」が26回も出てくること、地元説明会や県議会、市議会、県や市に提出した「事前協議書」でも、免震重要棟を造ると九電が約束して地元同意を得て、最終的に経産相も認めたと指摘。「免震重要棟は審査や地元同意など、二重三重に再稼働の大前提。造らないなら再稼働をやめるべきだ」と政府にただしました。
九電の対応を「見守る」と繰り返す林幹雄経産相に対し、免震重要棟の代替施設として設置された「緊急時対策所」を現地調査した藤野氏は、100人の事故対応要員が横になる場所もない狭さで、トイレも一つしかない実態だったと述べ、「人の力が発揮できるのか」と追及。林経産相は「過酷な対応はよろしくない」と述べました。
藤野氏は、関西電力高浜原発でも事前の約束を覆して再稼働しているとして、「原発を動かす資格はない」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月11日より転載)