住民参加の復興を・・福島大が名古屋でシンポ
福島大学は3月5日、東京電力福島第1原発事故から5年の福島を考えるシンポジウムを、共催した愛知大学の名古屋市車道キャンパスで開きました。
復興の研究と支援のために設立した福島大「うつくしまふくしま未来支援センターの研究者ら12人が、避難者、放射線、産業などを報告しました。
小松知来・特任准教授は、各地の住民活動を報告しました。住民の6割が住民活動に加入している伊達市小国地域で、全戸アンケートに9割が回答したことや、100メートル単位で測定をして農地の放射線量マップを自分たちでつくったことを紹介。農業や地域の再生には住民参加が重要だと強調しました。
天野和彦・客員准教授は、復興公営住宅でおでん屋台をつくったNPO活動の経験から、交流と自治に支えられた住民参画事業が居場所をつくり、孤独死や孤立死をなくすと話しました。
中田スウラ・センター長は、避難している小学校の子どもたちが、復興学習(ふるさと創造学)のまちづくり計画で、必要施設に居酒屋をあげたエピソードを紹介。復興にがんばっている父親たちが集まりわいわいやってほしいという思いだったと述べました。
交流と自治に参画する住民の姿が、お仕着せではない復興のポイントだと指摘。地域を引き継ぐ、新しい学びのなかで育つこどもの姿もそこに重ね、新しい社会づくりに努力したいと話しました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月7日より転載)
多様性の発信へ・・市民団体が交流 福島
原発事故による偏見や分断を経験した福島から多様性を発信しようと活動する市民団体「ダイバーシティふくしま」はこのほど、福島市で「なんか変だよ、おじさん社会」と題したトークセッションを開きました。月1度開催され、今回で8回目。
桜の聖母短期大学の二瓶由美子教授がメーンスピーカーとなり、男性中心社会で日々感じていることを参加者と話し合いました。
最近、同大学を卒業した女性=金融業=は「職場では結婚したら仕事を辞めるという雰囲気がある。結婚したら家庭に入るという古い考え方が世の中にある」と発言すると、二瓶氏は共感する話として「結婚すると配置転換させられる事例も聞いた」と語りました。参加した男性から「価値観の違う人と気軽に話せる方法はないか?」との問いかけに、「考えようとすることが第一歩」と応じる一幕もありました。
福島市から参加した遠藤雄さん(31)は「一人ひとりの話は実生活におけるもの。性別問わず生きづらさを感じていることが分かりました」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月7日より転載)