全国革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす全国の会)と福島県革新懇は3月6日に福島県二本松市でシンポジウム「原発ゼロをめざして今、福島から−−あの日から5年」を開きます。実行委員長の伊東達也さん(原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員・全国革新墾代表世話人)に同シンポの意義や特徴を聞きました。
シンポは、原発事故から5年がたった福島の実相と安倍政権の原発推進、福島切り捨て政策を告発し、たたかいの展望を明らかにします。これにふさわしいパネリストも決まり、期待が高まっています。シンポ前日には、浪江町などを視察し、福島生業(なりわい)裁判原告団長らと懇談・交流します。ぜひ全国各地から参加していただきたいと願っています。
■原発被害の実相を
シンポで明らかにしたいのが、被災地に住めない状況が続いていることです。昨年暮れの国勢調査で、福島県59市町村のうち4町(大熊町、双葉町、富岡町、浪江町)が人口ゼロです。国勢調査が始まった1920年から、アジア太平洋戦争中も含めて複数の町が5年間も人口ゼロということはありませんでした。福島県の震災関連死も2014人(2月3日現在)となり、地震と津波による直接死1604人を超える状況が続いています。
■国・東電、地域分断
国と東電による分断が県民を苦しめています。原発事故で地域社会は、距離で分断され、放射線量で分断され、賠償でも分断されました。避難するかどうか、地元産食材を食べるかなどでも亀裂が持ち込まれています。沖縄のように、県民の団結を阻むものを乗り越えて連帯する運動が求められています。
政府は「避難解除準備区域」と「居住制限区域」の住民を2017年3月までに帰還させ、賠償を打ち切ろうとしています。昨年9月に浪江町津島の住民が提訴した「故郷を返せ 津島原発訴訟」の訴状には、「いま声を上げなければ、各集落は死に絶えてしまう。黙っていれば『廃村』にされ、『棄民』にされてしまう。その危機感から提訴した」と書かれています。この怒りを伝えたいと思います。
■運動発展の契機に
政府と東電は、福島第2原発4基の廃炉を表明していませんが、県議会と59全市町村議会は「県内の原発全10基の廃炉を求める」決議を上げ、「福島県内の全原発の廃炉を求める会」の運動も広がっています。
原発ゼロをめざす運動は、「原発をなくす全国連絡会」「首都圏反原発連合」「さようなら原発1000万人アクション」の共同で、子ども連れで参加できる運動になっています。戦争法反対の自主的・自発的運動は、原発ゼロを求める運動が発端になっている面もあります。原発ゼロ、核廃絶、憲法9条改悪阻止の運動は、国民の生命と安全を守る「トライアングル」の運動です。今回のシンポを、さらに運動を発展させる契機にしていきたいと思います。
「原発ゼロをめさして今、福島から」・・パネリストに志位氏ら
3月6日(日)午後1時開会、福島県男女共生センター、
資料代500円
パネリスト→原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員・伊東達也(全国革新懇代表世話人)、社会福祉法人希望の杜福祉会楢葉町事業所所長・早川千枝子、安斎科学・平和事務所所長・安斎育郎、日本共産党委員長・志位和夫(全国革新懇代表世話人)
現地からの報告→福島生業裁判原告団の服部浩幸事務局長、福島県内の全原発の廃炉を求める会事務局の広田次男弁護士、農民連の根本敬県連会長
問い合わせ→全国革新懇 電話03(6447)4334、ファクス03(3470)1185.福島県革新懇 電話024(52、2)3097、ファクス024(522)3102
(「しんぶん赤旗」2016年2月24日より転載)