関西電力は2月21日、高浜原発4号機(福井県高浜町)の原子炉補助建屋の床に放射能汚染水が漏れたため、同日に予定していた再稼働の準備作業を取りやめて、22日以降に延期することを明らかにしました。
関電によると、漏えいが見つかったのは20日。午後3時30分に原子炉の1次冷却系につながる配管への通水を開始したところ、同42分に警報が発生。1次冷却水から不純物を取り除く設備の前の床面に、約8リットルの水たまりが見つかりました。放射能量は推定1万4000ベクレル。
このほかに床に漏れた水が回収された分もあり、漏えい量は合計で約34リットル、6万ベクレルになるといいます。
漏水原因などは特定されておらず、関電は調査を進めています。
高浜原発では、1月29日に3号機の再稼働を強行。関電は、4号機も今月下旬の再稼働を狙って準備を進めており、原子炉本体と1次冷却水の圧力や温度を通常運転に近い状態に高める検査を21日に開始する予定でした。
4号機は出力87万キロワット、運転開始は1985年6月。2011年7月に定期検査のため停止して以来、運転していません。使用済み核燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電を、4号機として初めて実施する構え。原子力規制委員会による審査はすんでおり、今月3日には4体のMOX燃料を含む核燃料157体の原子炉への搬入が完了しています。
(「しんぶん赤旗」2016年2月22日より転載)