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規制委 川内原発の免震重要棟撤回・・九電に慎重な検討要求

 原子力規制委員会は2月3日、臨時会議を開き、九州電力の瓜生道明社長と、原発の安全性向上の取り組みについて意見交換しました。委員から、九電が、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)で事故時の対応拠点として計画していた、免震構造の「免震重要棟」建設を撤回する方針に対し、慎重な検討を求める意見が出ました。

  九電は、川内原発で免震重要棟を2015年度中に完成させるとしていましたが、昨年12月に一転、建設を撤回すると規制委に申請。新規制基準を満たすとされた川内原発の審査書で、免震重要棟ができれば廃止すると明記された代替緊急時対策所を、正規の対策所に「格上げ」し、その近くに耐震構造の「支援棟」を建てるとしています。

 瓜生社長は「免震重要棟と同等以上の安全性を確保する意味で、今の仕組みを提案している」と述べ、免震重要棟の建設撤回の方針を改めて説明しました。

 これに対し、規制委の石渡明委員は、川内原発の審査で免震重要棟の特性に応じた基準地震動(想定される地震の揺れ)を別個に策定した経過にも触れながら、「免震棟は福島第1原発事故で実際に使われた。その経験をしっかり把握して、よく考えてもらった方がいい」と求めました。

 九電の撤回方針には、地元の市民団体などが「安全よりもコストを優先させたのではないか」と批判しています。

 また、規制委は先月、川内原発の審査会合で、九電の説明に「計画を変更する最も重要な根拠を欠いている」と指摘し、申請の出し直しを求めています。

(「しんぶん赤旗」2016年2月5日より転載)