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過酷な避難生活訴え・・福島原発かながわ訴訟口頭弁論

 東京電力福島第1原発事故で、神奈川県内に避難を余儀なくされた被災者174人が国と東電に損害賠償などを求めている「福島原発かながわ訴訟」の第13回口頭弁論が1月22日、横浜地裁(相澤哲裁判長)でありました。

 福島県大熊町から横浜市に避難し、昨年夏に亡くなった母親(事故当時90歳)の訴訟を引き継いだ女性(67)が意見陳述し、「1人で生活していた母は日ごろから近所の人たちに助けられ、周囲に感謝しながら不自由なく生活していた」と事故前を振り返り、「事故によって家や自由な生活を奪われ、過酷な避難生活による体力の衰えを毎日感じながら避難生活を送る母の姿を見るのはつらかった。母の無念な気持ちをなかったことにはできない」と訴えました。

 「原告には(原発事故と)避難に因果関係がないものが含まれている」とする東電の主張に、原告弁護団の古賀坂徹弁護士が、原告は生活の拠点が避難対象区域だったり、自主的避難対象区域にいたもので、因果関係がない避難者は原告には含まれていないと反論しました。

 林裕介弁護士と栗山博史弁護士が、全電源喪失の原因となった津波の発生は予見できないものだったとする国の主張に対し、1999年に国土庁が作成した「津波浸水予測図」を引用し、福島第1原発に8メートルの津波が到達しても敷地は津波によって浸水していたと指摘。「国は予測図の作成時点で、浸水で配電盤が機能しなくなることを予見していた」と反論しました。

(「しんぶん赤旗」2016年1月25日より転載)