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志賀原発 直下活断層否定できぬ・・規制委 評価書案確認会合で & 「もんじゆ」で300キロの箱落下

 北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)の1号機原子炉直下などを通る断層について、活断層を否定できないとする原子力規制委員会の専門家チームの評価書案について、第三者の視点から確認する規制委の会合が11月20日、開かれました。「活断層が否定できない」ことで他原発の断層を評価する専門家も同意しました。今後、出された意見を踏まえて評価書案を修正し、規制委に報告されます。

 原発の新規制基準は、将来動く可能性のある断層の上に重要な施設を設置することを認めていません。志賀原発1号機は廃炉になる可能性があります。北陸電は活断層を否定しています。

 敷地内には8本の断層が走っています。評価書案で取り上げられたのは、1号機原子炉直下を走る「S−1」と呼ばれる断層と、1、2号機のタービン建屋の下を通る「S−2」「S−6」断層の評価です。

 評価書案で、このうち「S−1」については、建設時に掘削されたものの現存しないトレンチ(溝)の当時のスケッチや写真に見られる地層の様子が、後期更新世(12万〜13万年前)以降に動いた「S−1」の「変位」によって形成されたと解釈できると判断しました。

 一方、「S−2」「S−6」については、地層の傾斜や数値計算などから、後期更新世以降に「活動した可能性がある」とし、周囲の地層に「変形」を及ぼしたと判断。これらの活動で「将来、地表に変位が生じる可能性は否定できない」としています。「S−2」「S−6」も、重要施設である1、2号機の冷却用の海水を取り込む配管の下を通っています。

 この日の会合では、志賀原発以外の断層を評価している専門家から、建設時のトレンチで見られる地層の解釈や、「S−2」「S−6」の活動性を評価した計算などに疑問が出されたほか、敷地周辺の地形の隆起を説明する大きな構造を想定すべきではないかといった指摘がありました。

 北陸電は、2号機について再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査を昨年(2014年)8月に申請。敷地内の断層についての結論が出されていないため、事実上審査は進んでいません。

 (「しんぶん赤旗」2015年11月21日より転載)


 

「もんじゆ」で300キロの箱落下・・原子力機構

 安全管理のミスが相次ぎ、原子力規制委員会が運営主体の交代を求めている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)で、クレーンの作業中に重さ約300キロの箱が約30センチ落下していたことが11月20日、分かりました。けが人や放射性物質の漏えいはありませんでした。

 原子力機構によると、機器の点検や洗浄をする建物で10月23日、協力会社の作業員5人が燃料交換に使う炉内中継装置の洗浄用器具が入った約300キロの木箱をクレーンで降ろしていたところ、先端のワイヤが外れ落下しました。被害はなく、法令上の報告対象ではなかったため、公表していなかったといいます。

(「しんぶん赤旗」2015年11月21日より転載)