福島県のいわき市民1574人が国と東京電力を相手に福島原発事故の原状回復と損害賠償を求めている「いわき市民訴訟」の第14回口頭弁論が11月18日、福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)で行われました。
原告のいわき市立中学校教員の鈴木茂夫さん(56)が意見陳述しました。
原発事故が発生し、生徒の所在調査に追われ、生徒の8割以上が避難していました。生徒に事故後の気持ちについて作文を書かせると「テレビで、原発が水素爆発する映像を見た時、恐ろしいほどの恐怖感を感じ、震えが止まりませんでした。その日は被ばくして死んでしまうのではないかと恐怖でいっぱいでした」と書いていることを紹介。「生徒の学習面や生活面にも影響を与えている」と陳述し、「子どもたちの学ぶ環境を充実するための法制度を整備する」ことを主張しました。
原告弁護団は、国際原子力機関(IAEA)が作成した「福島第一原子力発電所事故事務局長報告書」付属文書の翻訳の証拠提出を被告の国に求めましたが、国側代理人はかたくなにこれを拒みました。
(「しんぶん赤旗」2015年11月19日より転載)