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賠償打ち切り許さない 東電・国に被災業者要請・・“被害続く限り賠償は当然”

経産省と東電の担当者(手前)に実情を訴える福島県から参加した中小業者ら=11月9日、参院議員会館
経産省と東電の担当者(手前)に実情を訴える福島県から参加した中小業者ら=11月9日、参院議員会館

 東京電力福島第1原発事故はいまだ収束せず、避難区域の内外を問わず多数が避難を余儀なくされています。しかし、東電と国は、年間被ばく線量20ミリシーベルト以下を基準に避難指示を解除し、賠償も打ち切ろうとしています。そうしたなか原発事故で損害を受けた中小業者が11月9日、国と賠償打ち切りを許さないと参院議員会館で、東電と経済産業省に要請しました。

 要請したのは「福島原発被害・完全賠償請求中小業者連絡会」。福島県内の中小業者ら42人と、全国商工団体連合会の役員、「生業(なりわい)を返せ、

地域を返せ!」福島原発訴訟の馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう)弁護団事務局長ら計約60人。日本共産党の倉林明子参院議員、藤野保史衆院議員が同席しました。

 東電は、被災業者からの請求にたいし、2015年8月以降2年分の「一括賠償」を支払うとした「合意書」への記名・押印を求めています。

 被災業者らは、「賠償をこれで打ち切ろうとするものだ」と反発し、要請で「合意書」の文言の修正を求めましたが、東電は拒否。

 業者側が「東電の書式によらず、15年8月以降の損害について、従来通り過去分として請求しても受け付けるのか」とただしましたが、東電は「他の方式は受け付けない」と答え、経産省もこの回答を容認しました。

 業者らは「東電は加害者なのに、賠償の請求期間を決めて被害者に押し付けるのか」、「被害が続く以上、賠償するのは当たり前ではないか」と批判。

 「地元産の山菜やキノコの水煮を商ってきたが、東電の担当者から電話で『中国産なら関係ない。それを販売すればいい』といわれた」、「リンゴの産直農家の請求を半額しか認めず、文書による説明を求めてもかたくなに拒否された」など、東電の冷たい対応を告発する声が相次ぎました。

(「しんぶん赤旗」2015年11月10日より転載)