関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)に出された再稼働差し止め仮処分決定(4月)をめぐり、同社が行った異議申し立て(保全異議審)の第3回審尋が10月8日、福井地裁(林潤裁判長)で開かれました。住民側は、原発の地震動想定や耐震安全性の不十分さなどを主張しました。
審尋では、原発で想定する最大の揺れとされ、耐震設計の要となる基準地震動」の問題が問われています。住民側は、基準地震動の現在の策定手法が、過去の限られたデータから導き出す平均的な値を基に行われていることから、過小評価や大きな誤差・不確かさが伴うと主張し、福井地裁の仮処分決定も「信頼性を失っている」と指摘しています。
前回の審尋では、住民側が主張する、この不確かさの問題を考慮しているかが裁判所から問われ、関電は「考慮しない」と答えました。
今回の審尋では、住民側の学者らが、基準地震動の策定手法の不十分な実態を説明しました。また、関電が確保に努力しているという安全余裕に対し、住民側の専門家は「十分余裕をもって設計されたはずのものが、これまで何度も事故を起こしている」と指摘しました。
次回審尋は11月13日に決まりました。高浜原発3、4号機は差し止め仮処分決定が覆されない限り、法律上は再稼働できなくなっています。
(「しんぶん赤旗」2015年10月10日より転載)