東京電力は7月28日、福島第1原発で電源ケーブルが収納された管で火災が起き、ケーブルとつながる電源盤で警報が発生したと発表しました。警報発生後の状況調査で、1〜4号機建屋周辺の土壌を凍らせる凍土遮水壁の冷凍機と、1〜3号機の原子炉に水素爆発防止のために窒素を送り込む装置の1系統が停止していることが確認されました。
東電は、冷凍機と窒素供給装置に異常がないと判断し、同日午後運転を再開しました。
火災発生時には付近で雑草対策シートを設置する作業が行われていました。東電は、シートを固定するために打ち込んだ「コ」の字形のピンが管を貫通して電源ケーブルを損傷させ、ケーブルから地面に漏電したことが原因で、電源盤で警報が発生したと判断しています。
この場所には計5本のケーブルがあり、別の管でも数カ所で貫通した箇所が見つかりました。東電は、貫通が確認された管のケーブルを使用停止し、復旧するとしています。
東電によると、同日午前8時25分ごろ6900ボルトの高圧電源盤の2ヵ所で漏電の警報が発生。一方、同8時34分ごろに汚染水処理設備「ALPS」(アルプス)の近くにある、ケーブルを収納した管から白い煙が上がっているのが見つかりました。双葉消防本部が同9時30分に鎮火を確認しました。
(「しんぶん赤旗」2015年7月29日より転載)
1号機カバー・・解体工事再開
東京電力は7月28日、福島第1原発1号機原子炉建屋を覆うカバーの解体工事を再開しました。屋根部分から取り外しを始め、2016年度末までの完了を見込んでいます。内部のがれきを撤去し、使用済み燃料プールに残る核燃料の取り出し作業は20年度の開始を目指します。
東電によると、作業は28日午前7時ごろ開始。大型のクレーンを使い、約40分間かけて屋根部分のパネル6枚のうち1枚を取り外しました。
1号機カバー解体は、昨年10月に着手。他の工事を優先するため中断し、今年5月の再開をめざしましたが、建屋の開口部をふさぐ設備がずれていることが発覚し、延期していました。東電は、この設備がなくても放射性物質飛散の影響は少ないと判断し、再開しました。
(「しんぶん赤旗」2015年7月29日より転載)