東京電力福島第1原発事故避難者の自殺をめぐる訴訟で、東電は7月9日、遺族に約2700万円の損害賠償を支払うよう同社に命じた福島地裁判決を受け入れ、控訴しない方針を明らかにしました。東電本店で同日行われた話し合いで、遺族側に伝えました。遺族側も既に控訴しない方針を決めており、判決が確定します。
福島県浪江町の五十崎喜一さん=当時(67)=が自殺したのは避難生活が原因だとして、遺族が東電を訴えていました。福島地裁は避難生活によりうつ状態になり、自殺に至ったと認定しました。
会談後、記者団の取材に応じた同社の近藤道隆福島原子力補償相談室長は遺族宅を訪れて謝罪すると述べました。五十崎さんの妻栄子さんは「謝罪していただける約束ができたので、それだけで気持ちは少しなごむかなという思い」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2015年7月10日より転載)