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「原因特定できず」・・東電 汚染水流出で報告書

 東京電力は7月3日、福島第1原発で海へつながる排水路を高濃度の放射能汚染水が流れたことを示す警報が2月に発生した問題で、「原因は特定できなかった」とする報告書を原子力規制委員会に提出しました。

 流出事故は2月22日に、汚染水タンク群のそばを通って海につながるC排水路の放射線監視モニターで警報が発生したもの。1リットル当たり7230ベクレルという高濃度の全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が計測され、汚染水は港湾内に流出したとされます。

 東電は、高濃度の全ベータを含む液体が何らかの原因で排水路に流入したとみて、タンクや移送配管からの漏えい、降雨の影響、汚染土壌の流入の可能性など、調査を進めてきましたが、原因を特定できませんでした。

 数値計算からは、同100万〜1億ベクレルの全ベータを含む高濃度汚染水が排水路流域で流入した場合に、今回の警報の状況が再現できることが判明しました。

 全ベータの海への流出量は、約4億ベクレルと評価しました。

 再発防止策として、汚染水を取り扱う作業の管理強化のほか、警報が発生した場合にせき止める作業の迅速化などを明記しました。今回の事故では、警報発生から下流のゲートの閉止まで約1時間半もかかっていました。

(「しんぶん赤旗」2015年7月5日より転載)

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