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漏えい汚染水 基準濃度の1万倍級・・海へ流出 3ヵ所最悪値 & 福島県漁連、浄化地下水放出 意見を再集約へ

 東京電力福島第1原発で、高濃度の放射能汚染水が移送中にホースから漏れた事故で、汚染水が1リットル当たり110万ベクレルの全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)を含んでいたことがわかりました。

東電が30日発表しました。ストロンチウム90の国の放出基準(告示濃度限度)は同30ベクレルで、漏れた汚染水の濃度は放出基準の1万倍に相当するレベル。

 汚染水は、排水路を通じて海に流出。港湾内の3ヵ所で5月29日に採取した海水の全ベータが過去最高値を更新しました。1、2号機取水口の海水から同290ベクレル、同240ベクレルを検出。港湾の中央部では、それまでの最高値の2倍を超える同190ベクレルが検出されました。

 東電は、ホースに縦1センチメートル、幅約2ミリメートルの穴があることを確認。移送作業でホースを流れた汚染水の総量は236トンで、そのうちどれだけ漏えいしたかは不明です。漏えい地点の下流では、同2万2000ベクレルの全ベータが検出されました。

 ホースは2011年から、穴が開いて漏えい事故が頻発して問題になったポリ塩化ビニール製で、比較的丈夫なポリエチレン管への交換前のものだと東電は説明しています。国と東電が12年7月に改定した工程表では交換を順次実施すると明記していました。

 漏えいは29日午前に作業員が発見し移送ポンプを停止。東電は同日、法令報告事象(管理区域外漏えい)に当たると判断し原子力規制庁に報告しました。

 移送していたのは、過去に汚染水が漏えいした地下貯水槽近くの井戸からくみ上げた水やタンクのせき内にたまった汚染水を、保管していたタンクの水。27日から3号機建屋に移送していました。

 

浄化地下水放出 意見を再集約へ・・福島・県漁連

 東京電力福島第1原発で原子炉建屋周辺の汚染地下水を浄化して海に放出する計画について、福島県漁業協同組合連合会(県漁連、いわき市)の野崎哲会長は5月29日、「組合や支所ごとに意見集約をお願いしたい」と述べ、賛否表明に向け、改めて地元漁業者の意見集約に入る考えを記者団に示しました。

 

(「しんぶん赤旗」2015年5月31日より転載)

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