【モスクワ=時事】ウクライナ北部の旧ソ連チェルノブイリ原発は4月26日、放射能汚染をもたらした事故発生から丸29年を迎えました。ポロシェンコ大統領が現場を訪れ、事故処理作業員ら犠牲者を追悼。爆発があった4号機にかぶせるアーチ型シェルターも視察し、早期完成を目指す考えです。
4号機は炉心溶融が起きた事故後、コンクリートの「石棺」で固められました。しかし、石棺の劣化が激しく、2012年4月26日に当時のヤヌコビッチ大統領によってシェルターの起工式が行われました。計画によると、17年11月末に工事を終え、23年までにシェルターの中で石棺を解体します。
ポロシェンコ大統領は声明で「ウクライナが困難にある中、チェルノブイリ問題克服への国際社会の支援が特に重要」と指摘。1986年の悲劇から人々を守るため、支援国と共に安全なシェルターを構築できるよう期待する」と述べ、次世代のために力を結集すべきだと訴えました。
(「しんぶん赤旗」2015年4月28日より転載)